ユニフォームの導入や管理は、「人事」や「総務」のセクションが担当している企業が多いものです。ユニフォームは人材管理との関わりが深いので、その担当は極めて自然な流れです。しかし、同セクションの人間がユニフォームの企画から決定管理まで、何から何までを主導しているとしたら、そのシステムを一度見直してみましょう。

ユニフォームの決定~採用プロセスは、経営戦略の決定~実行のプロセスと同じです。具体的な成果を得るためには、組織の中で各プロセスにふさわしい役割分担を行うことが大切です。

基本の役割分担は、目的を決定する「トップ層」、予算や工程をコントロールする「管理層」、機能や実用性を高める「現場層」、という3つです。この3者がそれぞれの立場で適切に新しいユニフォームづくりに関与できる体制こそが望ましいのです。

「トップ層」の役割

まず、ユニフォームの目的を決めるのは「トップ層」、つまり社長をはじめとする経営幹部です。自社のユニフォームにどんな目的を設定するか、ということは企業戦略の一部であり、ユニフォームの導入やモデルチェンジの成否を左右するもっとも重要な要素です。リクルート性を高めるものなのか、ファッショナブルな企業イメージを社会に訴えるのか、事故防止や安全対策の一環なのか。目的の設定次第で、ユニフォームの着地点が変わってきます。

「管理層」の役割

そして、トップ層が設定した目的に応じたユニフォームを、現実的な予算、期間内で実現できるようコントロールするのが「管理層」の仕事です。人事・総務セクションが担当するのが一般的ですが、ユニフォームの目的が「リクルート性の改善」なら「広報・宣伝のセクション」が担当したり、営業力アップを目指すなら「営業セクション」が担当する、という選択肢もあっていいのです。ユニフォームによって何らかの目的を達成することが目的なのですから、その達成のための予算と人材をもっともコントロールしやすい部署に任せることが大切です。

「現場層」の役割

最後の「現場層」は、実際にユニフォームを着用するスタッフです。彼らはユニフォームの機能性・実用性を高める役割を担います。ユニフォームの作業性や機能性の良し悪しは、着用者でなければ判断できません。現状のユニフォームに対する不満、作業性を高めるためのアイディア、こんなユニフォームを着たいという希望。「モノ」としてのユニフォームにもっとも近い彼らの感覚は、すぐれたユニフォームをつくるためには欠かせないものです。

 

こうした役割分担は、言葉にすると簡単ですが、実行するのは難しいものです。中でもよくあるのが、トップ層が積極的に関与しないために目的があやふやになってしまう失敗です。目的が明確でないせいで管理層が現場を無視して安いだけが取り柄で魅力のないユニフォームを作ってしまったり、現場層が着用者の趣味を優先したちぐはぐなユニフォームを作ってしまったり。そんな失敗を避けるためにも、それぞれの役割をしっかりと意識することが大切なのです。